住環境で問題を発生しない(加害者にならない)方法

 

[家の建て方、マンションの買い方]
 公害の苦情が発生すると、被害を被っている方は当然苦しんでいますが、騒音を 発生している機械・設備を持っている方もやっかいな問題を抱えることになり ます。
 家を建てるときに苦情を発生させない方法、被害を受けないようにする方法を述べます。

戸建て住宅で音を発生させる装置で注意すべき機器:ボイラー、エアコン室外機、石油ボイラーは音・低周波音が 大きいので使用を避ける。石油ボイラーを使うときはガス化方式のボイラーが音が小 さい。ただし、石油を温めてガス化するので、火がつくまでに5分程度必要。

 

 設置場所の配慮:

  • 家の南側が望ましい。北側に設置すると、北側の家からは居間等のす ぐ近くに来るので問題になりやすい。
  • 隣家にも同じ機器があるときは、向かい合わせに設置して、同じ条件にな るように。
  • 低い位置に取り付けてもらう。

 オーディオ装置、楽器の使い方:
 音が家から外に音が漏れるので、3部屋あったら真ん中の部屋にする。
 初めから防音性能の高い部屋を作ることも大切です。
 電子楽器の場合は、ボリュームの大きさに注意

 

 隣家の人への事前の話合い:
 現代の騒音問題は、お互いのコミュニケーション不足のために起こることが 多い。江戸時代には、庶民は長屋住まいで住宅の防音性能は悪かったが、騒音 問題といわれるものは非常に少なかった。コミュニケーションが豊かだったか らである。音を出す装置あるいはその可能性があったら、事前に話をして、何 か問題があったらいつでも言ってもらうように話をしておく。(犬・猫を飼うこ と、楽器の演奏、ステレオの音等)
 自分の出している音は、外に出てみないとわからない。自分の家の周りを回 って音を聞いてみて隣に影響するかどうかを考える。

マンションを購入するときに被害を受けないように、また加害者にならないための方法について述べます。

 

 マンションの購入時のチェック:

  • 機械類の設置してある場所付近の部屋は要注意
     ポンプ室、エレベータ室、ボイラー室、クーリングタワーの上下と横方向の部屋は振動が躯体に入り、スピーカーの原理で音を放射する。
  • 床スラブの厚さ(スラブの本体厚さ15cm~18cm以上で、厚みのある床材等で 覆われているか)と、防音のフローリングであるか。音性能について表示がおこなわれているか。その値は?

[マンション生活で音の加害者にならないために]

  • フローリング床に改造するときは、床材の下にグラスウールなどを敷 いた防音仕様のフローリングにする。
  • 子供が飛び跳ねると、振動が床の下に行くので、子供の心を傷つけないよ うに注意しながら、ある程度静かに生活するようにする。大きな声を出しても 迷惑はかけないが、飛び跳ねたりして振動を加えると、下の階の天井が振動し 、下の階の部屋にドンという低い音が発生し、苦情になる。
  • マンションでのピアノの音:ピアノは、音が直接隣の部屋に行くこともあ るが、振動としてマンションの躯体に伝わり、低い音が問題となる。ピアノの 下に防振マットを敷き、振動が躯体に伝わらないようにする。
  • マンションでは、下の階の人とのコミュニケーションを充分に行う。